すそわきがの原因

すそわきがの原因

すそわきがは、陰部の汗が独自の臭気を発する症状のことです。基本的な仕組みは、わきがと同じで、汗腺の一種であるアポクリン腺から分泌された汗が根本的な原因です。この汗に含まれている尿素やアンモニアなどの成分と皮脂腺から分泌される脂肪酸を、毛穴周辺に生息している常在細菌が分解することにより、ニオイを発する物質が生産されます。そのニオイは、いわゆる汗臭いというものとは異なり、チーズの腐ったようなニオイやネギや玉ねぎなどの野菜から発するツンとした刺激臭に例えられたりします。

なお、すそわきがの根本的な原因のアポクリン腺の分量は、遺伝により決定されます。このために、基本的には単なる体質であり、両親がわきがの場合は75パーセント、どちらか片方のみの場合は50パーセントの確率で子供は受け継ぐことになります。

ちなみに、人種や民族により発症頻度は大きく違っており、アフリカ系約100パーセント、ヨーロッパ系約70〜80パーセント、東アジア系約10〜20パーセントと言われています。これは、東アジア系の人種グループは太古の昔に、シベリアなどの寒冷な気候に適応した結果だと考えられています。

ただし、少ないからといって必ずしも良いことばかりではなく、必要以上に目立ってしまうというデメリットもあります。このために、アフリカや欧米ではアポクリン腺由来の体臭は個性の一つとして認識されていますが、日本の場合にはニオイが強い場合は腋臭症という疾患として治療の対象となります。これは、すそわきがに関しても同様で、正式名称は外陰部臭症といいます。

なお、自身の体臭がどのようなレベルにあるのかを認識するのは困難ですが、自分でわきがを判定することは可能です。これは、アポクリン腺は脇の下や耳の中、乳首や性器周辺などの限られた部位にのみ存在しているからです。この内で判断の目安となるのが、耳の中にあるアポクリン腺が原因の軟耳垢という症状で、わきがの人の約98パーセントはこの症状を併発しています。

ちなみに、この軟耳垢とは、アポクリン腺から分泌した汗により耳垢が湿ってしまうというものです。つまり、耳垢が乾燥しているか湿っているかにより、自分がわきがかどうかを判定できるということです。ただし、中年以降に耳垢が湿るようになるというケースもあるので、100パーセント確実というわけではありません。

なお、前述したようにニオイが強い場合は疾患として治療の対象となるのですが、これは診察した医師の判断により決定されます。このために、明確な基準があるわけではないので、同じレベルのニオイであっても疾患と判定されることもあればされない場合もあります。

疾患として認識された場合は健康保険が適用される保険診療に分類されるので、費用面での負担は少なくて済みます。腋臭症の場合は脇の下を切り開きアポクリン腺を直接除去する手術療法が基本ですが、外陰部臭症の場合はデリケートな部分ということで対応されていませんでした。

しかし、近年では技術が進化したために、手術によるアプローチも可能となっています。具体的には、皮膚を数センチメートル切り開いた後に専用のローラーを転がし裏側についているアポクリン腺をカミソリのような器具で切除する皮下組織削除法と、超音波により発生した熱の力によりアポクリン腺を外部から破壊する超音波吸引法とがあります。

一方、これらの方法には、傷跡が残ってしまうことやアポクリン腺を完全に除去できないなどのデメリットが生じる場合もあります。このために、レーザー治療や制汗剤などのリスクの少ない方法を選択するほうが、適当なケースも少なくはありません。まずは、皮膚科で専門のドクターに判断を仰ぐのが賢明と言えます。

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